Oracle Formsのモダナイズ

Oracle APEXは、Oracle Formsアプリケーションを最新のWebアプリケーションに簡単に移行するのに適した明快なプラットフォームです。同じストアド・プロシージャおよびPL/SQLパッケージがAPEXでネイティブに動作するため、開発が容易になります。

パートナ・パネル・ディスカッション

概要

Oracle Formsは、Oracle Fusion Middlewareのコンポーネントであり、数十年にわたりデータ・アプリケーションの構築で評価を得てきた実証済のテクノロジです。現在、このようなアプリケーションを構築する場合には、複数のアプローチがあります。このページでは、Oracle APEXを使用してOracle Formsベースのアプリケーションをモダナイズする方法について詳細に説明します。

Oracle FormsとOracle APEXには、多くの類似点があるため、移行は簡単です。どちらもデータベース中心型でSQLおよびPL/SQLベースであり、すべてのOracle Database機能およびデータベース・オブジェクトを簡単に利用でき、どちらも開発を支援するための宣言的フレームワークを使用します。

ただし、重要な相違点もいくつかあります。Oracle APEXは、完全にWebブラウザを通じて実行され、クライアント側のツールやブラウザ・プラグインは(開発時も実行時も)不要です。また、メタデータ・リポジトリを使用してアプリケーション定義が保存されるためファイル生成は不要であり、即時利用可能なテーマ設定を含み、完全にレスポンシブなアプリケーションを生成できます(そのため、どのデバイスでも実行可能です)。

APEXを使用したOracle Formsのモダナイズ経験に関するこのパートナ・パネル・ディスカッションを閲覧してください。

パートナ・パネル・ディスカッション

モチベーション

Oracle APEXを使用してOracle Formsアプリケーションをモダナイズするためのいくつかのモチベーションがあります。このような移行は簡単ではなく、相当な時間と作業を要する可能性がありますが、結果はそれに見合ったものです。ここでは、このような作業を検討する必要がある重要な理由の一部を紹介します。

  • 有用性

    多くのOracle Formsアプリケーションは、特に何年も前に開発されたものであると、直感的に使用できないことが多く、アプリケーションの使用に熟達するには、大規模なエンド・ユーザー・トレーニングと経験が必要になります。これとは対照的に、Oracle APEXアプリケーションは、一般的に非常に使いやすく、エンド・ユーザーがすでに使用したことのある他の最新のWebアプリケーションと類似しています。

  • レスポンシブ

    ユーザーは、大規模デスクトップ、タブレットおよびモバイル・デバイスなど、様々な異なるデバイスで操作を実行しており、アプリケーションはどのフォーム・ファクタでも同様に動作することが期待されます。

  • 外部向けアプリケーション

    Oracle Formsは、顧客やパートナ向けのアプリケーションにあまり適していません。

  • 拡張デプロイメント

    アプリケーションが最初はOracle Formsで開発された場合、それらは主に小規模な専用グループでの使用を目的として設計された可能性があります。ただし、現在は要件が変更され、同じ機能を組織全体にロールアウトする必要があります。たとえば、休暇申請は、以前は人事部に電子メールを送信する従業員が処理していた可能性があります。現在は、各従業員がアプリケーションに直接休暇を入力することが期待されます。

  • 新しいイニシアチブ

    新しいアプリケーション開発では、過去にOracle Formsが主な開発ツールであったとしても、Oracle APEXなどの他のツールを調査する必要があります。

  • 開発リソース

    スキルのあるOracle Forms開発者を見つけるのは徐々に難しくなっています。若い開発者は、Oracle FormsをWebベース・ツールではない古い技術であると考えているため、一般的にその習得に抵抗を示します。

APEXの利点

Oracle APEXを使用してOracle Formsアプリケーションをモダナイズする場合、重要な利点が多くあります。

  • コスト

    Oracle APEXに関連するライセンス・コストはありません。Oracle APEXは、Oracle Databaseの機能の1つであるため、Oracle Databaseのライセンスがあれば、Oracle APEXを使用できます。

  • スキル・セット

    Oracle FormsからOracle APEXに移行する最も明白な理由は、スキル・セットがほぼ共通であるからと考えられます。FormsとAPEXのどちらのフレームワークもデータベース中心型で、SQLとPL/SQLを活用し、主に宣言的開発を使用します。既存の開発技術を自然に発展させたものであるため、Forms開発者がAPEX開発者になるためのトレーニングは簡単であることが実証されています。

    SQLを知っている開発者であれば、誰でもOracle APEXで開発を行うための簡単なトレーニングを受けて、年月単位ではなく数週間で高度に熟練した開発者になることができます。

  • 再利用

    基礎となるデータベース・プログラム(パッケージ、ファンクション、プロシージャ)は、非常に簡単にOracle APEXから直接コールできます。そのため、すでにOracle Formsから利用している広範なデータベース・ビジネス・ロジックを再度記述する必要はありません。

  • 共存

    Oracle FormsとOracle APEXは、どちらも同じデータベース・オブジェクトを使用しながら同じデータベースで並行して実行できます。2つのツールが異なるビジネス要件を満たす場合、ユーザーに定期的に両方のツールを使用させることができます。または、長時間かけて新しいAPEXアプリケーションですべてのユーザーをトレーニングできます。この場合でも、ユーザーは、APEXアプリケーションに慣れるまでOracle Formsを使用し続けることができるため、問題ありません。

  • 柔軟性

    Oracle APEXでは、ラップトップ、オンプレミスまたはクラウドでの開発など、開発する場所について高い柔軟性があります。アプリケーションを開発する場所によって、アプリケーションをデプロイする場所が制限されることはありません。Oracle Databaseが存在し、Oracle APEXがインストールされていれば、どこでも開発してデプロイできます。たとえば、社内オンプレミスで開発し、クラウドでパートナにデプロイしたり、コンサルティング会社と共同でクラウドで開発し、オンプレミスでデプロイできます。

  • 実証済のパス

    ページの少ない小規模なアプリケーションから数千ページの大規模な商用アプリケーションに至るまで、大量のFormsアプリケーションが数年にわたりOracle APEXに正常に移行されました。

  • ユーザー・エクスペリエンスの向上

    APEXアプリケーションによって、特定のユースケースを効率化し、それらを完全にレスポンシブでモバイル対応にすることができます。1つのAPEX対話モード・レポートで多数のFormsページを置換えできることはよくあります。

  • パートナ・コミュニティ

    Oracle FormsからOracle APEXに移行したパートナの経験を活用すると、非常に役に立ちます。パートナによって、時間とコストを節約できます。パートナは、単純にガイダンスと指導を行ったり、開発チームと共同作業をしたり、ターンキー移行を実行することができます。

スタート・ガイド

開始の決定は簡単にできます。Oracle FormsからOracle APEXに移行するには、多くのアプローチがあります。

実証済のアプローチの1つは、既存のOracle Formsアプリケーションの十分に定義された機能領域をOracle APEXに移行するための概念実証を開発することです。これにより、現在の開発チームの教育が促され、作業とリスクの判断にも役立ちます。また、最新のWebアプリケーションに移行する際は、ユーザー・エクスペリエンスを変更し、Oracle Formsによって実装される古いルック・アンド・フィールを再現しないようにすることが非常に重要であるため、エンド・ユーザーは、新しいユーザー・インタフェースに慣れることができます。

もう1つのアプローチは、ユーザーと共同で、ユーザーの習慣をより正確に反映した新しい単純なワークフローを定義して、より直感的なユーザー・エクスペリエンスに移行することです。たとえば、注文の確定時に、顧客を選択することで、前回の注文、現在の請求書および他の情報を最初に確認できるようにします。このアプローチでは、顧客の相互作用、販売機会および顧客中心の体験がより促進される可能性があります。

最後に、既存の機能を置き換えるのではなく、Oracle APEXをすべての新しいアプリケーション開発でプライマリ・プラットフォームとして使用します。Oracle APEXは、最新の要件、モバイル優先アプリケーションおよび外部向けアプリケーションに対応できる理想的なツールです。

次の手順

Oracle Formsのモダナイズは、プロジェクトであると明確に意識する必要があります。旧式の直感的ではない複雑なOracle Formsアプリケーションを、洗練された完全に新しい直感的なWebアプリケーションに魔法のように変換する特効薬はありません。

  • 有効範囲の識別

    アプリケーション・スイート全体を置き換えるか、機能領域のみとするか、最新のアプリケーションを構築するかを決定します。

  • ルック・アンド・フィールの定義

    新しいアプリケーションの設計方法とユーザー・エクスペリエンスに関して関係者から同意を得ます。新しいユーザーがアプリケーションの使用方法ではなくビジネス・プロセスのトレーニングを受けるのみで済むように、画面はできるかぎり単純にし、特に使いやすくすることが重要です。

    新しいアプリケーションは、Oracle Forms UIまたはUXを再現するように設計されていないことが必須です。

  • プロセス・フローの改善

    古いアプリケーションは、何年も前に設計されたものであることが多く、通常、画面フローはOracle Forms機能によって指示されています。たとえば、データ入力オペレータが大量の入力作業を行う紙のフォーム中心で設計されたシステムは、すべての従業員が各自のデータを入力するよう設計されたシステムとは大きく異なります。

    ビジネスを続行し、今日のビジネス界で様々なタスクを実行するための最適な方法を特定します。どれぐらいの規模の複数ステップ・プロセスを効率化できるかを識別し、新しいアプリケーションでは最も一般的なタスクが最小限のステップで済むことを確認します。

  • ビジネス・ルールの確認

    Oracle APEXで再利用可能な既存のデータベース・プログラムを識別します。再実装する必要のある必須のビジネス・ロジック(通常はトリガー内)がOracle Formsにどの程度組み込まれているかを判断します。既存のルールがまだ有効かどうかと、それを新しいアプリケーションに組み込む必要があるかどうかを確認します。

    Oracle APEXには、既存のFormsをアップロードして、新しいAPEXアプリケーションに組み込む必要のあるアプリケーション・ロジックを確認し、注釈を付け、トラッキングする機能があります。

  • 開発者のトレーニング

    Oracle APEXでの主な相違点と、開発予定のアプリケーションの有用性を向上する重要性について開発者をトレーニングします。Oracle Formsと同様に、相当のビジネス・ロジックをデータベースに組み入れ、可能なかぎり組込み機能を利用することを確認します。たとえば、大量のJavaScriptを記述するのではなく、動的アクションを使用してクライアント側の相互作用を動的に定義することを習得します。

    パートナの関与を検討するか、経験豊富なAPEXの専門家を雇って、ガイダンスを提供し、ベスト・プラクティスの実装を支援します。

  • エンド・ユーザーの取込み

    有用性と効率性を向上するため、設計にシステム問題のエキスパートを含め、使用できる改良された機能について訓練します。パワー・ユーザーは、現在のシステムで十分に生産的であるため、変更に抵抗を示しますが、適切な指導をすれば、新しいシステムでどれほど作業が容易になるかをすぐに理解するはずです。たとえば、表示されたデータを操作するために対話モード・レポートの価値を最大化する方法を示します。