Oracle APEX 22.1の新機能

承認および統合タスク・リスト

新しい承認コンポーネントを使用すると、手動での承認を必要とするソリューションを非常に短時間で作成できます。ユーザーが任意のページから開始するアプリケーションにタスクを定義し、承認者は1つの統合タスク・リストを使用して処理します。

  • 統合タスク・リスト

    ユーザーが気にかける必要のあるヒューマン・タスクがすべて表示される受信ボックス・ページを作成します。

  • タスク定義

    タスク・パラメータと参加者、アクションを構成してから、「タスク詳細」ページを生成します。

  • シンプルなタスク処理

    組込みのプロセスや新しいビュー、PL/SQL APIを使用して、ヒューマン・タスクの作成と管理を行います。

  • サンプル承認アプリケーション

    新しいサンプル承認アプリケーションには、始める上で必要なすべてのものが用意されています。

ページ作成の簡素化

ページの作成ウィザードが大幅に簡素化され、APEXアプリケーションでのページの作成がこれまでになく簡単になりました。スマート・デフォルトを適用してウィザードを簡素化したため、ユーザー入力は最小限になり、ページの移動性も向上しました。

  • より短時間でページを作成

    ページの作成に必要な手順を減らしたため、これまでより短い時間と最小限の労力でページを追加できます。

  • ページをスマートに作成

    ページの作成ウィザードを使用すると、ページのモードやブレッドクラム、ナビゲーションに最適な設定が自動で行われます。さらに、ナビゲーション・アイコンもページ・タイプに基づいて設定され、主キー列は主キー制約を基準に選択されます。

  • さらにスマートなページを作成

    これは、ただのウィザードではありません。作成されるページもスマートなのです。共有値リスト(LOV)が作成されるか、外部キー制約のある列に再利用され、列またはアイテム・タイプが一致するよう適切に設定されます。

人による判読が可能な、JSONまたはYAML形式のアプリケーション・エクスポート

アプリケーション・エクスポートに、人による判読が可能で、差異を簡単に確認できるYAML/JSON形式のバージョンが含まれるようになりました。

  • 読取り可能なエクスポート形式

    アプリケーション・エクスポートの一部として、人が判読可能なエクスポートをJSONまたはYAML形式で含めることができるようになりました。

  • エクスポートAPIの更新

    APEX_EXPORT.GET_APPLICATION APIのREADABLE_JSONREADABLE_YAMLが新しいエクスポート・タイプのオプションで、これらのp_typeパラメータでは、値をカンマで区切ってリストし、一度に複数の形式をエクスポートすることが可能になりました。

  • sqlclおよびAPEXExportのサポート

    SQLclおよびAPEXExport (Java)ユーティリティが更新され、JSONとYAMLの新しいエクスポート形式がサポートされています。

新規および更新コンポーネント

行検索機能の向上。

APEX内での行検索機能が強化され、アプリケーション全体で、ごく自然に、直感的に検索を行えるようになりました。トークン化検索という新しい動作を有効にすると、複数の単語を入力して、より関連性の高いコンテンツを探し出すことができます。検索語が複数の列にある場合でも遜色はありません。

  • 関連する結果

    検索語が複数の列のいずれかに存在し、ひとまとまりになっている場合も単独の場合も、それぞれの単語が結果の検索に使用されます。

  • 構成

    トークン化検索属性をアプリケーション・レベルで切り替えるだけで、この新しい動作を使用するかどうかを構成できます。

  • サポートされているコンポーネント

    この検索動作は、スマート・フィルタやファセット検索、対話モード・レポート、対話グリッド、ポップアップLOVなど、行検索がサポートされているすべてのコンポーネントで機能します。

リージョンのソートが簡単に

ページ・アイテムでソートという新しい機能を使用すると、開発者は、リージョンのソート・オプションを簡単に構成できます。サポートされているリージョンでは、ソート順を構成するためのアイテムを設定できます。変更イベントが自動的に検知され、適切なorder by句が適用されて、リージョンがリフレッシュされます。

  • ソートが簡単に

    アイテム定義の一部として、order by句と内部キー、表示値のコレクションを定義できます。キーに関連付けられた適切なorder by句が適用されます。

  • 完全に統合

    リージョンのリフレッシュをトリガーするために、動的なアクションを構成する必要はありません。この機能は、デフォルトで組み込まれています。ほとんどの場合、ページの作成ウィザードの一環として、Order Byアイテムが自動的に作成されるため、さらに簡単になっています。

  • 幅広いリージョンをサポート

    カード、クラシック・レポート、チャートの他に、リージョン・プラグインも含め、ほぼすべてのリージョン・タイプがサポートされています。マップ・コンポーネントと対話モード・レポート、対話グリッドの各リージョンでは独自の方法でソートが制御されるため、これらのリージョンだけは対象外です。

ファセット検索の機能強化

ファセット検索が更新され、クライアント側のフィルタで検索語が強調表示されるようになりました。また、ファセットごとの新しいアクション・メニューには、ファセットレベルでのコントロールが追加され、アクセシビリティとユーザー・エクスペリエンスの機能拡張もいくつか行われています。

  • アクション・メニュー

    ファセットの非表示やクライアント側のフィルタの有効化など、新しいアクションが含まれるメニューがファセットごとに表示されます。また、「チャートの表示」アクションが、ファセットのコンテキスト・メニューに移され、UIが見やすくなりました。

  • 検索語の強調表示

    ファセットやフィルタをクライアント側でフィルタする際、検索語が強調表示されます。

  • UXの改善

    ファセット・グループで表示する結果を増やす際、選択時にグループが縮小されなくなりました。キーボードのサポートも強化されています。

  • プラグイン・リージョンのサポート

    プラグイン開発者は、少し変更を行うだけで、リージョン・プラグインにファセット検索やスマート・フィルタとの互換性を持たせることができるようになりました。

Markdownおよびリッチ・テキスト・エディタ

リッチ・テキスト(HTMLやMarkdownなど)の作成と表示に関連する機能拡張が多数行われました。

  • 対話グリッドのリッチ・テキスト

    リッチ・テキスト・エディタの列の「リッチ・テキストの表示」設定を切り替えると、読取り専用のグリッド・モードでもリッチ・テキストを表示できます。

  • CKEditor5 v32.0.0

    v32.0.0を利用することで、開発者はHTML埋込みプラグインを使用できるようになりました。リッチ・テキスト・エディタ・アイテムの完全なツールバーには、任意のHTMLスニペットの挿入や編集が可能なエントリがあります。

  • APEX_MARKDOWN.to_html

    入力でCLOBをサポートするよう更新されました。

PWAおよびユーザー・エクスペリエンス

PWAサービス・ワーカーのカスタマイズ

APEX開発者はPWAエンジンを利用して、プッシュ通知からWebアプリケーションの支払い、バックグラウンドでのアプリケーションの更新まで、あらゆるものを処理する独自のサービス・ワーカー・コードを挿入できるようになりました。

  • 共有コンポーネントのPWA

    再設計された共有コンポーネントには、PWA属性専用の新しいページがあり、テクノロジへのコミットメントを強化しました。

  • サービス・ワーカーの使用方法を選択

    リソース・キャッシングの新しいシステムのメリットを活かすには、APEXのデフォルトのサービス・ワーカーを使用します。JavaScriptフックで、APEXのサービス・ワーカーを拡張することも可能です。フックを使用すると、プッシュ通知やWebアプリケーションの支払いの実装、バックグラウンドでのアプリケーション更新のプッシュなどを行うことができます。

  • カスタム・サービス・ワーカーの共有

    ファイルURLサービス・ワーカーを使用する方法では、複数のアプリケーションでコードを共有できます。

永続認証

新しい永続認証では、ユーザーがより早く作業に戻れます。一度サインインすると、その状態が維持されます。

  • エンゲージメントの強化

    ユーザーが「ユーザー情報を保存」をオプト・インできるようにすると、これまでより格段に速く、アプリケーションにログインできるようになります。セッションが失効した場合には、新しいセッションが自動的に開始されます。

  • デフォルトで安全

    この機能を構築しているとき、私たちの一番の関心事は紛れもなくセキュリティでした。永続認証の設定は、APEX管理インスタンスで構成可能です。いつでも無効化できるため、システムはお客様の制御下にあります。

  • APIの機能拡張

    新しいPWAでは、永続認証が有効化されています。既存のアプリケーションは、拡張されたapex_authentication.login APIで、永続認証を使用するよう変更できます。

ユニバーサル・テーマの更新

ユニバーサル・テーマが更新され、イメージ・リージョン・テンプレートがすべて新しくなり、リージョン・イメージがサポートされるようになりました。また、ページのレンダリング・パフォーマンスの向上なども行われました。

  • リージョン・イメージ・テンプレート

    新しいイメージ・リージョン・テンプレートを使用すると、アプリケーションにイメージを簡単に表示できます。このイメージは、テンプレート・オプションでさらにカスタマイズして、フィルタを適用したり、アスペクト比やスケールを調整したりできます。

  • ログイン・ページの機能拡張

    背景イメージの新しいリージョン位置を使用して、アプリケーションのログイン・ページを簡単にパーソナライズできるようになりました。また、ログイン・リージョンでリージョン・イメージがサポートされるようになったため、アプリケーションのアイコンやロゴの表示が可能です。

  • ページ・レンダリングの改善

    サイド・ナビゲーション・メニューとメニュー・バーのページ・レンダリングのパフォーマンスを向上し、ページ・テンプレートに「遅延レンダリング」という新しいテンプレート・オプションを追加しました。

開発者エクスペリエンス

データ・ジェネレータ

表に挿入するサンプル・データをお探しですか。APEXのまったく新しいデータ・ジェネレータを使用すると、データ生成ブループリントを簡単に定義し、ランダムに生成されたサンプル・データを表に挿入できます。ブループリントを定義したら、エクスポートするサンプル・データをCSVまたはJSONファイルで生成することや、既存の表にデータを直接挿入することが可能です。

  • 既存の表から開始

    表のブループリントは、ユーザー・スキーマの既存の表から作成することも、ゼロから作成して有効なJSONブループリント・ファイルをインポートすることもできます。

  • データの生成

    このブループリントでは、数千行のデータを生成でき、エクスポート・オプションにはCSV、JSONまたはSQLの挿入ファイルがあります。データは、スキーマの既存の表や列に挿入することも可能です。

  • エクスポートとインポートのブループリント

    データ・ジェネレータを使用すると、表や列、カスタム・データ・ソースを含むブループリントを作成して、データを簡単にプロトタイプ化できます。

アプリケーション・アイコン

弊社の新しいアプリケーション・アイコン・エディタで、お客様のアプリケーションにふさわしいブランディングを行いましょう。アプリケーション・アイコンを一度アップロードすれば、APEXによりアプリケーションの実行時に伝播されます。

  • 独自のアイコンのアップロード

    APEXにはアイコンのスタイルと色のリストがあり、そこから選択できます。用意されているアイコンの中に、お客様のアプリケーションにふさわしいものがない場合は、独自のアイコンをアップロードして、アイコン・エディタでサイズの変更や切取りを行うことが可能です。

  • いつでもアイコンを編集可能

    アプリケーション・アイコンは、新規アプリケーションの作成時や編集時に、ユーザー・インタフェース属性にある新しい専用セクションで、いつでも編集できます。

  • APEX開発者ツールバーに統合

    APEX開発者ツールバーを使用して、いつでもアイコンを編集できます。アプリケーションのログイン・ページからアイコンを編集すると、出力のプレビューもリアルタイムで表示できます。

RESTソースでREST対応SQL問合せをサポート

リモート・データベースで実行するREST対応SQLに基づいてRESTソースを作成し、APEXコンポーネントからそのSQL問合せを抽出できるようになりました。

  • ローカル表に結果を同期

    スケジュールと同期タイプを定義すると、APEXにより、結果データがローカル表に自動的にダウンロードされます。

  • 事前定義済問合せを再利用

    RESTソースにSQL問合せを一度定義すると、アプリケーションの様々なAPEXコンポーネントで再利用できます。

  • RESTカタログを活用

    キュレートされた一連の問合せが、RESTソース・カタログとして会社内の開発者に共有されるため、用意された最適な問合せを誰もが使いやすくなります。

セッション・オーバーライド

セッション・オーバーライドは、ファイル・パスや追加のファイル、グローバリゼーション属性など、通常APEXエンジンが処理するセッションの値を簡単に変えられるため、開発者にとって便利な方法です。

  • 開発者ツールバーのデザインを一新

    開発者ツールバーのエントリの数が減り、シンプルになるよう再構築しました。「デバッグ」エントリはメニューになりました。

  • スコープ指定のセッション属性をお試しください

    セッション・オーバーライドを使用すれば、APEXビルダー・ユーザーにスコープ指定されている言語やタイムゾーンを変えてアプリケーションをテストするのも簡単です。

  • 追加のJavaScriptおよびCSSのロード

    ファイル・パス・セッション・オーバーライドを使用すれば、JavaScriptとCSSのローカルでの構築が、これまでになく簡単になります。ファイルを別のパスにルート変更するには、#APP_FILES#を編集します。

ファイルURLの機能拡張

JavaScriptとCSSのファイルURL構文が、新機能で拡張されました。

  • 新しいURLディレクティブ

    新しい宣言的ディレクティブを使用して、JavaScriptファイルのURLをESモジュール(非同期または遅延)としてロードできるようになりました。例: [module]myScript.js

  • コメント

    開発者がファイルURLを一時的にコメント・アウトできるようになりました。コメント・アウトするのが1行の場合は--を、複数行の場合は/* */を使用します。

  • エクスペリエンスの編集

    ページ・デザイナでは、エディタに、ディレクティブや置換のオートコンプリート機能だけでなく、専用の構文強調表示機能も搭載されました。

追加機能

  • コンポーネント・エクスポートでのワークスペース・ファイル

    コンポーネント・エクスポートを使用して、静的ワークスペース・ファイルを組み込めるようになりました。ビデオを見る(1:31)

  • リストの登録のサポート

    あるアプリケーションから別のアプリケーションにリストを登録できるようになりました。これにより、複数のアプリケーションで共有するリスト定義を1つにすることができます。また、リストの作成ウィザードとリストのコピー・ウィザード、「リストの編集」ページを簡素化しました。

  • apex_web_service APIの更新

    APEX_WEB_SERVICE APIに、CLEAR_REQUEST_HEADERSおよびCLEAR_REQUEST COOKIESプロシージャが組み込まれ、リクエスト・ヘッダーとCookieをプログラムで簡単にクリアできるようになりました。

  • データ・エクスポートのパフォーマンスの向上

    APEXのレポート作成コンポーネントからのデータのダウンロードが、これまでになく高速になりました。

  • コード・エディタの機能拡張

    APEXのコード・エディタが更新され、多くの機能が拡張されました。これには、カッコのペアのカラー化を有効化するオプション、一般的ではない非表示の文字列を強調表示する機能、「JavaScript」の「ファンクションおよびグローバル変数の宣言」に定義されているJavaScriptコードのIntelliSenseサポートなどがあります。

  • 共有コンポーネント・ページの更新

    「共有コンポーネント」ページに、コンポーネント数とともにバッジが表示されるようになりました。また、ユーザー・インタフェースの下には、プログレッシブWebアプリケーション設定のより代表的なリンクと、使用性を向上するための小規模なその他の変更内容も表示されます。

  • JavaScriptライブラリ・アップグレード

    いくつかのJavaScriptライブラリを、Oracle JET 12、jQuery UI 1.13.1、FullCalendar 5.5.1、PrismJS 1.26.0、MarkedJS 4.0.12、DOMPurify 2.3.1、CKEditor4 4.18.0、CKEditor5 32.0.0、MapLibre 1.15.2 (以前使用されていたMapboxをマップ)などの新しいリリースに更新しました

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