Oracle APEX 22.2の新機能

呼出しAPIプロセス

この新しいページレベルのプロセス・タイプを使用すると、プロシージャや関数の実行を完全に宣言的に行えるようになります。PL/SQLコードを記述する必要はありません。

  • パラメータ・マッピング

    ページ・デザイナは、自動的にパラメータをプリセットし、対応するページ・アイテムまたは対話グリッド列がある場合にはマップします。また、パラメータの同期オプションを使用してパラメータ定義をリフレッシュすることもできます。

  • データ型の認識

    PL/SQLデータ型が完全に認識されます(NUMBER、DATE、TIMESTAMP、BOOLEAN、CLOB、BLOB、...)。PL/SQLレコードなどの複合データ型がサポートされます

  • 出力の格納

    パラメータまたは関数の出力をページ・アイテムに格納できます。

新規および更新コンポーネント

承認コンポーネントの強化

承認コンポーネントが追加機能を含むように強化されています。期日、有効期限ポリシー、アクション・ロギングなどを構成します。

  • 期日リージョン

    タスク定義の期日リージョン。タスクの期日と有効期限ポリシーを構成します。

  • その他のアクション

    タスク定義アクションの新機能。アクション・ロギングの構成、タスク履歴ログに追加するAPI、期限切れ前イベント、失効イベントが含まれます。

  • その他の操作

    タスクの詳細ページで新しい操作(情報の要求、情報の発行、期日の変更、参加者の招待、タスクの更新、タスクの取消し)を行えるようになりました。タスク定義をコピーすることもできます。

新しい日付ピッカー

日付ピッカーがAPEXのために完全に新しく構築されました。高速でアクセスしやすく、負荷が軽い、効率よいユーザー・エクスペリエンスが提供されます。

  • 「今日」ボタン

    多くの要望に応えた「今日」ボタンにより、ユーザーが面倒なく今日の日付を選択できるようになりました。このボタンは、「コンポーネント設定」または「アイテム属性」で簡単に有効にすることができます。

  • 動作の単純な制御

    HTML属性を使用して、クライアント側の日付ピッカーの動作を変更します。複雑なJavaScriptコールを使用する必要はありません。

  • すばやくアクセス可能

    新しい日付ピッカーはすぐにロードされ、ユーザーの操作にすばやく応答します。ARIA APG推奨の完全キーボード・サポートを備えています。

ダイナミック・コンテンツ・リージョン

PL/SQLダイナミック・コンテンツ・リージョン・タイプは、レガシー・コンポーネントとマークされ、新たなダイナミック・コンテンツ・リージョンで置き換えられます。この新リージョンはよく似ていますが、いくつかの違いがあります。

  • HTMLコンテンツ

    リージョン・ソースはHTML値をVARCHAR2またはCLOBとして戻す必要があります。コンテンツはHTPパッケージを介して生成されるのではありません。

  • リフレッシュ可能なリージョン

    リージョンはリフレッシュ可能で、遅延ロードをサポートしています。

  • JavaScriptのサポート

    リージョン・ソースは、データベース21c以上でJavaScript (MLE)を使用して記述できます。

ページ・アイテムのCLOBサポート

ページ・アイテムと対話グリッド列に、文字数が32Kを超える値を格納できるようになりました。

  • セッション・ステートのデータ型

    アイテムの新しい属性「セッション・ステートのデータ型」が、テキスト領域、表示専用、非表示、リッチ・テキスト・エディタ、マークダウン・エディタで使用できるようになりました。

  • CLOBサポート

    計算、評価、ソースおよびデフォルトの各プロセスが、CLOBの処理をサポートするように拡張されました。

  • バインド変数

    PL/SQLプロセスでは、バインド変数は選択したデータ型になります。新しいapex_session_state.get_clob('P1_ITEM') APIを使用してCLOB値を取得することもできます。

PWA、モバイルおよびユーザー・エクスペリエンス

PWAおよびモバイルの更新

  • 機能の検出

    インストール・プロセスを簡略化します。PWAがユーザーのブラウザまたはデバイスでサポートされているかどうかを自動的に検出し、該当する場合のみ「アプリケーションのインストール」ボタンを表示します。

  • アプリケーション・スクリーンショット

    新デザインのPWAインストール・ダイアログで、スクリーンショットの表示がサポートされるようになり、インストール時にアプリケーションのプレビューがユーザーに示されます。

  • アプリケーション・ショートカット

    アプリケーション内の特定のページについて一連のショートカットを定義できるようになりました。アプリケーションをインストールすると、ユーザーはコンテキスト・メニューを開くか、「APP」アイコンを長押しして、これらのショートカットにアクセスできます。

  • デバイスのジオロケーション

    現在の位置の取得という新しいダイナミック・アクションは、デバイスの現在の場所をフェッチして、JavaScript GeoJSONオブジェクト(すなわち緯度と経度)をページ・アイテムに返すか、完全なジオロケーション・オブジェクトをカスタムJavaScript関数に返します。

  • Web共有

    新しい「共有」ダイナミック・アクションを使用すると、APEXアプリケーションのデータをユーザーのデバイス上の他のアプリケーションと簡単に共有できます。ただ共有アクションをトリガーするだけで、デバイス・ネイティブの共有シートが表示されます。

  • 宣言的メタ・タグ

    一般公開されるAPEXページのメタ・タグをページ・デザイナで直接定義できるようになりました。これは、新しい共有ダイナミック・アクションと組み合せてソーシャル・メディアにページ・プレビューを表示する際に特に役立ちます。

ユニバーサル・テーマの更新

ユニバーサル・テーマが更新されています。2つの新しいリージョン・テンプレート、リージョン位置のアイテムのサポート、ページのレンダリング・パフォーマンスの向上などが含まれます。

  • 新しいリージョン・テンプレート

    新しい検索リージョン・テンプレートを使用すると、新しい検索コンポーネントの結果をカスタマイズできます。新しいアイテム・コンテナ・テンプレートによって、アイテムとボタンを一緒に配置しやすくなります。

  • リージョンのアイテムの位置

    アイテムを、追加のリージョン・テンプレート位置(CREATE、EDIT、PREVIOUS、NEXTなど)にまたがって配置できるようになり、ページ・レイアウトの柔軟性が向上しています。

  • レンダリング・パフォーマンスの向上

    ページのロード時に、タブ、リージョン表示セレクタ、フロート・フィールドのラベルの描画も早くなり、ちらつきが軽減されます。

開発者エクスペリエンス

リージョンのランドマーク・サポート

ランドマークは、スクリーン・リーダーのユーザーがWebページの構造やページ内をすばやく移動する方法を理解するために重要な役割を果たします。Oracle APEX 22.2では、開発者がすべてのリージョンのランドマークを再定義できるようになりました、ページ構造をスクリーン・リーダーに伝える方法を開発者がよく制御できるようになり、柔軟性が向上しています。

  • リージョンの完全な制御

    リージョンは、APEXでの以前のサポートを基盤としていますが、新しいアクセシビリティ・プロパティ・グループを含むようになりました。これにより、ランドマークの提示方法を完全に制御することができます。ランドマーク・サポートの切替えやランドマーク・タイプの選択を行うことができ、必要であればカスタム・ランドマーク・ラベルを定義することもできます。

  • デフォルト値のオーバーライド

    リージョンによって、デフォルト・ランドマークがリージョン・テンプレートから選択されます。または、ページ・デザイナでリージョン・レベルのデフォルト値をオーバーライドできます。

  • 開発者ツールバーの統合

    開発者ツールバーが更新され、APEXページのランドマークと見出しを表示する新しいオプションが含まれるようになりました。

動的アクションの拡張

  • アクションに名前を付ける

    TrueアクションまたはFalseアクションにカスタム名を指定できるようなり、ページ・デザイナ内で正しいアクションを選択するときに推測する必要がなくなります。ビデオを見る(2:00)

  • 宣言的なデバウンスおよびスロットル

    アクションのデバウンスまたはスロットルで、新しいプロパティ「実行タイプ」、「時刻」、「即時」を使用して、アクションを起動するタイミングや頻度を細かく制御できるようになりました。

その他の更新と機能拡張

  • オートコンプリートが有効なテキスト・フィールド

    オートコンプリート・アイテムが、ネイティブAPEX Webコンポーネントとして一新されました。さらに効率のよいユーザー・エクスペリエンス、アイコンのサポート、カスケードLOVなどが提供されます。

  • ベクター・マップ・タイル

    マップ・リージョンで新しいベクター・レイヤーが使用できるようになり、特に高画素密度ディスプレイでの表示品質が向上しました。

  • 数値フィールド

    新しいバーチャル・キーボード属性によってスマートフォンやタブレットでの数値入力が容易になりました。

  • カレンダ・リージョン

    FullCalendar v3をインスタンス・アップグレードとアプリケーション・インポートの一部として引続き使用していた、以前のカレンダ・リージョンの移行ロジックを更新しました。

  • リッチ・テキスト・エディタ

    リッチ・テキスト・エディタが更新され、ツールバー・アイテム・オーバーフローを制御するツールバー・スタイルの新しい属性や、インライン編集でカスタムHTMLのサポートを提供する「カスタムHTMLの許可」が含まれるようになりました。

  • テンプレート・ディレクティブの幅広いサポート

    クラシック・レポート列と対話モード・レポート列のHTML式でテンプレート・ディレクティブを使用できるようになり、SQL問合せから条件付き出力ロジックを削除できるようになりました。詳細

  • データ・ジェネレータ

    データ・ジェネレータにいくつかの更新と機能拡張が加えられました。列と表のシーケンスを設定する機能、ブループリントの名前変更、カスタム・データ・ソースおよびフォーミュラの使用性向上、ヘルプ・テキストの改善などです。

  • APEXグローバル検索

    アプリケーションの別名を使用してAPEXアプリケーションを検索したり、"alias:page"を使用してアプリケーション内の検索を実行したり、検索文字列を"regexp:"で始めて後に式を指定することで正規表現を使用して検索したりすることができるようになりました。

  • APEX_LDAPのWeb資格証明のサポート

    APEX_LDAP APIでは新しいp_credential_static_idパラメータがサポートされ、これによって、資格証明をPL/SQLパッケージにハードコーディングしたり、資格証明を他のセキュアでない方法で格納したりすることを回避できます。

  • 新しいAPEX_ESCAPE関数

    APEX_ESCAPE APIに、CLOBを完全にサポートする新しい関数、および特殊文字およびHTMLをエスケープするcsv関数とstriphtml関数が含まれます。

  • JavaScriptライブラリ・アップグレード

    Oracle JET 12.1.3、jQuery UI 1.13.2、jQuery Migrate 3.4.0、FullCalendar 5.11.2、PrismJS 1.28.0、MarkedJS 4.0.17、DOMPurify 2.3.8、CKEditor5 35.0.1など、いくつかのJavaScriptライブラリを新しいリリースにアップグレードしました。

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